CD鑑賞日誌


by furt-orooro
b0056240_1823787.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1950.6.20
ティタニア・パラストでのライブ

LP RVC RCL-3334
CD RVC R32-1091
(第1楽章タイムはどちらも15’42で、ピッチは低いようであるが、許容範囲)

フルトヴェングラーの同曲異演中、最速の演奏。当演奏をベストに推す方も多い。
「完全無欠の英雄」、「形は雄大で細部は緻密」、第2楽章の「涙なき葬送は完璧」と評価されている(「フルトヴェングラー劇場」)。

第1楽章、エネルギッシュで推進力がある(展開部、300小節まではイン・テンポ)。スピード感と1音1音の彫の深さ。スフォルツァンドの凄さ。Tiの轟き。
第2楽章、低域の柔らかな厚みのある温かな音色。展開部の怒涛のフォルテッシモ。
第4楽章、すべてをなぎ倒していくが如き迫力と、そのもとでの旋律の美しさ。
二律相反する要素が見事に融合する奇跡が成し遂げられて行く。

今回、CDとは別に、LPから起したものを聴くことができた。その音はふくよかで、低域の厚みと、人工的ではない自然な生々しさは、すばらしい。浮揚するVnの高音が低域に負けずに聴ける(CDはどれも高域が埋もれがち)。
ティタニア・パラストにおけるベルリン・フィルのサウンドは、決して乾いたものではなく、当LP(CD)や、同レーベルの「グレイト」に聴けるような、潤いと色彩に富むものだったに違いない。
当演奏の凄さを改めて認識させられた。

DELTAの「第2世代」か、OTAKENの「ガラスCD素材に近い」CDでの当LP盤起こしを期待したい。
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# by furt-orooro | 2007-09-19 23:01 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー&
ストックホルム・フィル

東芝EMI
TOCE-6062/63

演奏については、こちらを参照
(ちょうど1年前になる)。

今回、音質比較用に、Mさんが貸してくださった。

1年前に取り上げた、
ELECTROLA CZS 25 2321 2よりも、ノイズはあるが、
その分、音はふくよかで、潤いがある。
高域のウィーン・フィルのような高音など、当CDの方が、神々しい。

「フルトヴェングラー鑑賞記」に演奏評を追加。
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# by furt-orooro | 2007-09-18 23:02 | フルトヴェングラー
b0056240_16163649.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル

1943.6.27-30
フィルハーモニーでの放送用録音
(マグネトフォン・コンサート)

田伏紘次郎氏は、
「フルトヴェングラーのレコード化された同曲の録音の中で最も名演と断言(する)。
どの演奏よりもスケールが雄大で、細部も微に入り最も緻密、そして第3-4楽章のブリッジ・パッセージに於ける漸強の自然な移行ぶりから最強の頂点で圧倒的な第1主題の奏出、更にコーダでみるみるうちにテンポをたたき込んでクライマックスへもって行く巨匠ならではの天馬空を馳けるともいうべき名技は、史上2度と聴くことはできないであろう。」
(MELODIYA CDの川上剛太郎氏の解説より引用)
と述べている。

プライベートで、LP、MELODIYA D-05800~1(青色灯台)(写真)
から起していただいたものを愛聴している。
音の再現性が良く、すばらしい音、すばらしい演奏である。
この音に最も近いものは、当LP盤起しのDELTA DCCA-0006である。

MYTHOSは、当演奏のVSGレーベルLPを発見し、CD-RとCDでリリース。
「MYTHOSを通しての音」ではなくて、VSGの音を聴いてみたいものだ。

演奏評、同演異盤については「鑑賞記」参照

*OTAKENからは、ガラスCDに近いCD素材で、1954年スタジオ録音の「第5」と1952.12の「第4」が出る。
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# by furt-orooro | 2007-09-13 23:15 | フルトヴェングラー
b0056240_1710314.jpgフルトヴェングラー
ベートーヴェン 交響曲全集

EMI MUSIC JAPAN
TOCE-55975/80

各曲別コメント

1番、4番
1番は1952.11、4番は1952.12録音だが、録音条件の違いか、CC35では1番のVnはカサカサするのに対し、4番のVnは色艶が良い。
TOCE-55975/80も同様で、CC35よりステレオ・プレゼンスは軽度であるが、1番のVnはカサカサするのに対し、4番のVnは色彩感がある。4番は低域もポンつかず、当全集中では最も出来が良い。

2番
演奏はすばらしい。1楽章の巨大なエネルギーの発露、オーケストラと一緒になっての凄まじい推進力。と思うと、第2主題や第2楽章のウィーン・フィルの美しさを生かしたチャーミングなフレーズの数々。巨大さと美しさが同居する。
元々の録音が悪いので、五十歩百歩ではある。
TOCE-7530/4や伊EMIよりも弱いステレオ・プレゼンス。高域の浮揚する美しさはあるが、強音部は低域が強調され、異様な様相。

3番「英雄」
古風な音と言えばよいのだろうか。これまでのリマスターとは逆行し一昔前の音に戻ったようだ。鮮度と鮮明さを求める方々に評価されるかどうかは疑問。
高域の空間は狭く伸びもない。低域の音色は温かみがあるが、強音部では低域優勢、偏重で不自然でもある。

5番
「英雄」同様。第2楽章のVcやその後のVnなど煌く色彩があり、個々の楽器の音色は良いが、強音部は低域が出すぎてボコボコした音になり不自然。

6番「田園」
「英雄」に比べると高域に華やかさがある。低域の温かな音色と高低の分離の良さは良い。
特にVcとDBは、TOCE-7530/4の音色が希薄なので、当リマスターの方が音色があって良い。

7番
これは不思議な音だ。ベールがかかった鼻についたような音でありながら、1楽章序奏、2楽章冒頭などの高低の掛け合う部分では、高低が明瞭に分離して、思わずハッとさせられる。1,2楽章に比べて、3,4楽章は解像度が劣り、ボコボコした音。

8番
音質は、2番同様。

9番
Vnはかすれ気味。低域が目立つ。
1楽章、再現部、Tiはリアルに響きが他は混沌。
3楽章のVnはかさついており良さは出てこない。第2主題のVnの伸びも不足。
4楽章、DB・Vcの音色は良い。主題の変遷部分、Vc・DB、Va、Vn、各々の音色美は明瞭。


最近、
1953年「フィデリオ」 スタジオ録音
東芝 CE25-5819/20
をよく聴いているが、ここに聴くウィーン・フィルは、Vnの煌き、Vcの温かな音色と、すばらしい。
これをリファレンスとして今回の全集を聴くと、音の違いにとまどうばかり。
この「フィデリオ」のような音で全集を作れないものだろうか。
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# by furt-orooro | 2007-09-05 23:09 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー
ベートーヴェン:交響曲全集

EMI MUSIC JAPAN
TOCE-55975/80

リマスターは、Akihiro Kurazono。

軽度のステレオ・プレゼンス?
音圧が高く、音に密度と力がある。
高域の空間と伸びは適度。低域は空間が広く、密度のある音。Vcは温かい音色で、DBはDBの音になっている。高低の分離も良い。
高域の伸びと広がりや音の鮮度は不足するものの、Vcの温かい音色は魅力的。
CC30は低域増強、TOCE-7530/4は高域強調で、その両者の中間路線。

ARTリマスターや伊EMIよりは、良質な音ということで推薦できるが、
値段がネック。新譜価格だと、伊EMI全集が2セットも買えてしまう。
DUには、税込み8190円で並んできているので、その色別割引でゲットしよう。

「鑑賞期」には、各演奏ごとのレビューを予定。
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# by furt-orooro | 2007-09-03 23:42 | フルトヴェングラー
b0056240_17321989.jpgフルトヴェングラー&ハンブルク・フィル
1948.10.18
ハンブルク、ムジークハレでのライブ

フランス・フルトヴェングラー協会
SWF-921/2

大戦中のマグネトフォン録音を担当した、シュナップ博士による録音で、録音は良かったのだろう。
当CDの音質も良好(ただし第2楽章に混信ノイズあり)。音はクリアで鮮明。
ff部ですべての楽器が明瞭で、フルトヴェングラーの意図した音響効果を知ることができる。
木管群に奥行きと詩情が不足し、この点はベルリン・フィル盤が勝る。
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# by furt-orooro | 2007-08-24 23:30 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1952.2.10
ティタニア・パラスト

ドイツ・フルトヴェングラー協会
TMK-200601920

ベルリン・フィル創立70周年記念コンサート全演目
ベートーヴェン:「大フーガ」(ワインガルトナー編)
オネゲル:交響的断章第3番
シューベルト:「未完成」
ブラームス:交響曲第1番

資料的な価値はあるものの、音質は問題。
アイヒンガー及びクラウス氏によるリマスター。
ブラームスの1番は、第3楽章の弦のミスが共通するので、フランス協会製作と音源は同一。
ハイカット、ローカットで、高域はカサカサした音。低域は音はあるが無機的な音で音色はなく、音量レベルも小さい。
フランス協会のリマスターが辛うじて合格なのに対し、ドイツ協会のリマスターは音が痩せ余りにも貧弱すぎる。このようなリマスターが続くのでは、同協会CDの音質面の価値はない。真剣に善処することを期待する。
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# by furt-orooro | 2007-08-20 12:45 | フルトヴェングラー
b0056240_12372368.jpgベートーヴェン:交響曲第7番
         同 第8番
フルトヴェングラー&ウィーン・フィル
1954.8.30
ザルツブルク音楽祭でのライブ

DELTA
DCCA-0033

当日は、第8番、大フーガ、第7番の順番で演奏されており、第7番より第8番の方の出来が良い。
第8番は「巨匠には不向き」との評価もあるが、この日の演奏は、ウィーン・フィルの柔らかで滑らかなフレージングによって、リズムは柔らかく刻まれ、流れは流麗、覇気と活気もある名演となっている。
これに対して、第7番は、緊張が弛緩したのか、第1楽章序奏など間延びした部分もあり流れも損なう面もある。それでも、「豊かな広がりと気品を有している」とも評価される優雅さがある。

当DELTA盤は、スクラッチノイズなど皆無で、盤起しではないようだ。KING同様の良質テープ音源かもしれないが、音質良好。入手できるものの中では最良。

演奏レビューは、「フルトヴェングラー鑑賞記」へ。
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# by furt-orooro | 2007-08-17 12:40 | フルトヴェングラー
b0056240_12465293.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル

1948.10.24
ティタニア・パラストでのライブ

最初のHの音の感動。
常に前へと向かう音楽の絶え間ない流れ。その流れの中での変芸自在なテンポと、「ゲサンク・フラーゼ(旋律楽句)をまさにゲサンク(歌)として、自然に再現する」(出谷啓氏)手腕。細やかな弱音部から圧倒的で堂々としたffまでのダイナミクスの大きさ。
ベルリン・フィルの木管群、ティンパニーの名人芸。

主なCDの音質評価 ☆ ◎ ○ △ ×
テープ系
1.CC35-3170 軽度な擬似ステ ◎
2.CC30-3357/60 1と同じ
3.CE28-5585 2の分売
4.TOCE-8512 MONO △
5.ELECTROLA CZS 25 2321 2 MONO ◎
6.TOCE-9086/90 ブライトクランク ◎
7.EMI(References) CHS-5 65513 2 ×
8.TOCE-3294 HS-2088 (TOCE-11015 紙ジャケ)×
9.EMI(ART)ノイズリダクションで音色を損なう ×
10.TOCE-55709 没後50年記念リマスター 無機的な音調 △

盤起し系
11. AS-DISK AS 331/2 △
12.MYTHOS LEGEND NR-1002 △
13.GREENDOOR GDCL-0027 ×
14.GRANDSLAM GS-2012 ×
12と13は、FALP-544 (写真)盤起し。
14は、Electrola E90995 盤起し。
FALP-544の方が音色、解像度の高さで優れているようだ。
盤起し系はダイナミックレンジの人為的操作で、一定の音量以上は頭打ち、一定の音量以下はどれも同じ大きさになっていて、強弱の細かなニュアンスを聴くことはできない。
原盤LPの趣きを再現するには至っていないようである。

ということで、
マイベストは、5and6 次いで1(=2=3)。
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# by furt-orooro | 2007-08-07 12:45 | フルトヴェングラー
b0056240_12401855.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1926.10.26他

日本フルトヴェングラー協会
WFJ-18

「第5」の演奏について、
「レコード芸術」2004年12月でクリストファー・野澤氏が、
「フルトヴェングラーによるSPのポリドール録音中唯一の大交響曲であることと、まさに全盛期のベルリン・フィルを聴くことができるという2つの特別な意味があります。40才という若きフルトヴェングラーの覇気に満ちた指揮とベルリン・フィルの威力は、他の録音では聴くことのできないものです。このレコードではまさしくヒトラーによるユダヤ人楽員排斥以前の、本物のベルリン・フィルの音色が聴けるのです。」
と述べておられる。

SP盤起しであるが、スクラッチノイズは少なく、太古の録音とは思えないほど鮮やかな音。
ダイナミクスの変化が忠実に再現されており、深淵なppから強靭なsf、ffまで、十二分に聴くことができる。
黄金期ベルリン・フィルの音色は格別の味わい。

Couplingは、
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲 フルトヴェングラーのファーストレコーディング
ブラームス:ハンガリー舞曲第3番 1929年
 これらもすばらしい音だ!!!
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# by furt-orooro | 2007-08-01 12:39 | フルトヴェングラー