CD鑑賞日誌


by furt-orooro

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フルトヴェングラー&ウィーン・フィル
1951.8.19
ザルツブルク音楽祭でのライブ

HUNT(ARKADIA) CDWFE-360

フルトヴェングラーの同曲演奏について、
ジョン・アードイン 「フルトヴェングラー・グレイトレコーディングス」
には次のように述べられている。
「フルトヴェングラーが振るブルックナーの柱であり、4、7、8番の演奏をあれほど温かいものにしているカリスマ的な精力の傾注や力の応酬、音楽的な強調がここではほとんどみられない。解釈上のこうした特徴の代わりに存在するのは、あらゆる障壁を取り除き、ブルックナーのオリジナル設計を際立たせようとする厳格な姿勢である。同じ種類に属するこれらの演奏は、交響的創造物とも呼べるべきものであり、聴く者をフーガ風のフィナーレへと誘い、和声の頂点へと導く。」

クナッパーツブッシュ、シューリヒト、ヨッフムなど、ブルックナー指揮者は、当曲の演奏にそれなりに各々の脚色を付加している。それらに比べると、フルトヴェングラーの当曲演奏は、速さの変化はあるものの、アゴーギクとアーティキュレーションは最も素朴で、曲の素の姿(建物でいれば柱)を浮かび上がらせるものとなっている。

当CDは、ステレオ・プレゼンスで、適度な空間が作り出されており、音も厚く、音色も良好。臨場感ある生々しい音で、演奏の真の姿を明らかにする。

KING及び同じ同演異盤についてはこちら。
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by furt-orooro | 2007-09-25 23:16 | フルトヴェングラー
b0056240_1823787.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1950.6.20
ティタニア・パラストでのライブ

LP RVC RCL-3334
CD RVC R32-1091
(第1楽章タイムはどちらも15’42で、ピッチは低いようであるが、許容範囲)

フルトヴェングラーの同曲異演中、最速の演奏。当演奏をベストに推す方も多い。
「完全無欠の英雄」、「形は雄大で細部は緻密」、第2楽章の「涙なき葬送は完璧」と評価されている(「フルトヴェングラー劇場」)。

第1楽章、エネルギッシュで推進力がある(展開部、300小節まではイン・テンポ)。スピード感と1音1音の彫の深さ。スフォルツァンドの凄さ。Tiの轟き。
第2楽章、低域の柔らかな厚みのある温かな音色。展開部の怒涛のフォルテッシモ。
第4楽章、すべてをなぎ倒していくが如き迫力と、そのもとでの旋律の美しさ。
二律相反する要素が見事に融合する奇跡が成し遂げられて行く。

今回、CDとは別に、LPから起したものを聴くことができた。その音はふくよかで、低域の厚みと、人工的ではない自然な生々しさは、すばらしい。浮揚するVnの高音が低域に負けずに聴ける(CDはどれも高域が埋もれがち)。
ティタニア・パラストにおけるベルリン・フィルのサウンドは、決して乾いたものではなく、当LP(CD)や、同レーベルの「グレイト」に聴けるような、潤いと色彩に富むものだったに違いない。
当演奏の凄さを改めて認識させられた。

DELTAの「第2世代」か、OTAKENの「ガラスCD素材に近い」CDでの当LP盤起こしを期待したい。
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by furt-orooro | 2007-09-19 23:01 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー&
ストックホルム・フィル

東芝EMI
TOCE-6062/63

演奏については、こちらを参照
(ちょうど1年前になる)。

今回、音質比較用に、Mさんが貸してくださった。

1年前に取り上げた、
ELECTROLA CZS 25 2321 2よりも、ノイズはあるが、
その分、音はふくよかで、潤いがある。
高域のウィーン・フィルのような高音など、当CDの方が、神々しい。

「フルトヴェングラー鑑賞記」に演奏評を追加。
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by furt-orooro | 2007-09-18 23:02 | フルトヴェングラー
b0056240_16163649.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル

1943.6.27-30
フィルハーモニーでの放送用録音
(マグネトフォン・コンサート)

田伏紘次郎氏は、
「フルトヴェングラーのレコード化された同曲の録音の中で最も名演と断言(する)。
どの演奏よりもスケールが雄大で、細部も微に入り最も緻密、そして第3-4楽章のブリッジ・パッセージに於ける漸強の自然な移行ぶりから最強の頂点で圧倒的な第1主題の奏出、更にコーダでみるみるうちにテンポをたたき込んでクライマックスへもって行く巨匠ならではの天馬空を馳けるともいうべき名技は、史上2度と聴くことはできないであろう。」
(MELODIYA CDの川上剛太郎氏の解説より引用)
と述べている。

プライベートで、LP、MELODIYA D-05800~1(青色灯台)(写真)
から起していただいたものを愛聴している。
音の再現性が良く、すばらしい音、すばらしい演奏である。
この音に最も近いものは、当LP盤起しのDELTA DCCA-0006である。

MYTHOSは、当演奏のVSGレーベルLPを発見し、CD-RとCDでリリース。
「MYTHOSを通しての音」ではなくて、VSGの音を聴いてみたいものだ。

演奏評、同演異盤については「鑑賞記」参照

*OTAKENからは、ガラスCDに近いCD素材で、1954年スタジオ録音の「第5」と1952.12の「第4」が出る。
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by furt-orooro | 2007-09-13 23:15 | フルトヴェングラー
b0056240_1710314.jpgフルトヴェングラー
ベートーヴェン 交響曲全集

EMI MUSIC JAPAN
TOCE-55975/80

各曲別コメント

1番、4番
1番は1952.11、4番は1952.12録音だが、録音条件の違いか、CC35では1番のVnはカサカサするのに対し、4番のVnは色艶が良い。
TOCE-55975/80も同様で、CC35よりステレオ・プレゼンスは軽度であるが、1番のVnはカサカサするのに対し、4番のVnは色彩感がある。4番は低域もポンつかず、当全集中では最も出来が良い。

2番
演奏はすばらしい。1楽章の巨大なエネルギーの発露、オーケストラと一緒になっての凄まじい推進力。と思うと、第2主題や第2楽章のウィーン・フィルの美しさを生かしたチャーミングなフレーズの数々。巨大さと美しさが同居する。
元々の録音が悪いので、五十歩百歩ではある。
TOCE-7530/4や伊EMIよりも弱いステレオ・プレゼンス。高域の浮揚する美しさはあるが、強音部は低域が強調され、異様な様相。

3番「英雄」
古風な音と言えばよいのだろうか。これまでのリマスターとは逆行し一昔前の音に戻ったようだ。鮮度と鮮明さを求める方々に評価されるかどうかは疑問。
高域の空間は狭く伸びもない。低域の音色は温かみがあるが、強音部では低域優勢、偏重で不自然でもある。

5番
「英雄」同様。第2楽章のVcやその後のVnなど煌く色彩があり、個々の楽器の音色は良いが、強音部は低域が出すぎてボコボコした音になり不自然。

6番「田園」
「英雄」に比べると高域に華やかさがある。低域の温かな音色と高低の分離の良さは良い。
特にVcとDBは、TOCE-7530/4の音色が希薄なので、当リマスターの方が音色があって良い。

7番
これは不思議な音だ。ベールがかかった鼻についたような音でありながら、1楽章序奏、2楽章冒頭などの高低の掛け合う部分では、高低が明瞭に分離して、思わずハッとさせられる。1,2楽章に比べて、3,4楽章は解像度が劣り、ボコボコした音。

8番
音質は、2番同様。

9番
Vnはかすれ気味。低域が目立つ。
1楽章、再現部、Tiはリアルに響きが他は混沌。
3楽章のVnはかさついており良さは出てこない。第2主題のVnの伸びも不足。
4楽章、DB・Vcの音色は良い。主題の変遷部分、Vc・DB、Va、Vn、各々の音色美は明瞭。


最近、
1953年「フィデリオ」 スタジオ録音
東芝 CE25-5819/20
をよく聴いているが、ここに聴くウィーン・フィルは、Vnの煌き、Vcの温かな音色と、すばらしい。
これをリファレンスとして今回の全集を聴くと、音の違いにとまどうばかり。
この「フィデリオ」のような音で全集を作れないものだろうか。
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by furt-orooro | 2007-09-05 23:09 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー
ベートーヴェン:交響曲全集

EMI MUSIC JAPAN
TOCE-55975/80

リマスターは、Akihiro Kurazono。

軽度のステレオ・プレゼンス?
音圧が高く、音に密度と力がある。
高域の空間と伸びは適度。低域は空間が広く、密度のある音。Vcは温かい音色で、DBはDBの音になっている。高低の分離も良い。
高域の伸びと広がりや音の鮮度は不足するものの、Vcの温かい音色は魅力的。
CC30は低域増強、TOCE-7530/4は高域強調で、その両者の中間路線。

ARTリマスターや伊EMIよりは、良質な音ということで推薦できるが、
値段がネック。新譜価格だと、伊EMI全集が2セットも買えてしまう。
DUには、税込み8190円で並んできているので、その色別割引でゲットしよう。

「鑑賞期」には、各演奏ごとのレビューを予定。
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by furt-orooro | 2007-09-03 23:42 | フルトヴェングラー