CD鑑賞日誌


by furt-orooro

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b0056240_17372278.jpgフルトヴェングラー&ウィーン・フィル
1943.12.22/23
ムジークフェラインでのドイツ・エレクトーラへのスタジオ録音(SP録音)。

東芝EMI
TOCE-6056

このCDに聴くのは、最高の「田園」である。

当CDでは第1楽章提示部がリピートされている。音は、提示部リピートのLP初出盤に近いと言われている。

ムジークフェラインにこだまするウィーン・フィルの優雅、典雅、清楚なサウンドによる流麗な豊かな歌を聴こう。
1936年12月17/18日のワルターによるHMVへのSP録音を、CDの音質、ウィーン・フィルの音色、フレーズの自然な流れの良さで、上回る。
なぜ、1943年12月の戦時下の制約下でのレコーディングに、この曲を選んだのか?
それは最高の「田園」を録るためだったのだ。
1952年のスタジオ録音より、ウィーン・フィルのサウンドは清楚上品端整であり、各フレーズの純度と完成度も高い。
当CDで、第2楽章と、第3楽章のトリオを聴けば、ベートーヴェンが曲に託したものが、ウィーン・フィルの美点を活かし切ることによって、最高度の美しさで音化されていることが実感できる。

ベートーヴェンの交響曲の偶数ナンバーはフルトヴェングラーには不向きであるとも言われる。しかし、先日取り上げた、東芝TOCE-6180の1950年の「第4」と、「田園」の当CDを聴けば、上述のような、完成された名演であることがわかるのではないだろうか。
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by furt-orooro | 2007-02-26 17:50 | フルトヴェングラー
b0056240_20513926.jpg東芝EMI
TOCE-6180

フルトヴェングラー&
ウィーン・フィル

1. ベートーヴェン:Sym.4 1950.1.25,30
2. 「マイスタージンガー」第3幕への前奏曲 1950.2.1(1.25,30と誤記)
3. ストックホルム・フィル 「レオノーレ第3番」リハーサル 1948.11.12

どれも貴重なレア盤である。

1.ベートーヴェン:Sym.4 1950.1.25,30
 ムジークフェラインでのSP録音
 このCDではムジークフェラインに響くウィーン・フィルの弦の色艶良い、ふくよかで潤いある音色が再現されており、すばらしい音質である。
この曲はフルトヴェングラーに向かない、あるいは、この演奏は静かすぎて個性やカラーがないとも言われるが、それは不十分な音のせいであろう。
当CDで聴くなら、すべての音に神経が行き届き、1音1音に精神と気力が注入され、流れ良く歌い抜かれて行く、完成された名演であることが理解できるだろう。
この時期までのウィーン・フィルとのスタジオ録音は、後日UP予定の1943年の「田園」、1947年のブラ1、「英雄」と、みな気力の充実した完成されたものだ。
このウィーン・フィルのサウンドもすばらしいもので、同オケ同曲演奏のクレンペラーや他の指揮者からは聴くことのできないものだ。

2.「マイスタージンガー」第3幕への前奏曲 1950.2.1(1.25,30と誤記)
これもウィーン・フィルの響きが満喫できるもので、DB、Vc、Vn、ホルンと歌い継がれていく様は本当にすばらしい。
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by furt-orooro | 2007-02-24 20:50 | フルトヴェングラー
ベートーヴェン:「合唱」
フルトヴェングラー
&ベルリン・フィル

1937.5.1
ロンドン、クイーンズホール
イギリス国王ジョージ6世戴冠祝典演奏会ライブ

東芝 TOCE-6057
SP録音からの復刻。

70年前の録音。「太古の録音」と侮るなかれ。
単なるヒストリーではない。
格調高き流麗なるフレーズの数々。オーケストラ、ソリスト、コーラスの精度の高さ。
「第9」演奏史上、避けて通ることのできない演奏であるし、鑑賞に支障のない十分な音で残されていることからすれば、SP録音史上の金字塔としてもっと高く評価及び研究されてしかるべきであろう。

同演異盤CD比較
1.当盤
2.新星堂 「栄光のベルリン・フィル」シリーズ
3.東芝EMI 「永遠のフルトヴェングラー」シリーズ、HS-2088リマスター
4.EMI(IMG)5 62875-2 「GREAT CONDUCTOR」シリーズ
5.フルトヴェングラー・センターCD-R

ピッチが正常なのは4ということだが、これはポール・ベイリーの低域偏重のリマスターのため力強さはあるが、フワリとした流麗な高域が損なわれている。
2は、金属原盤からLPと同じ塩ビ盤にプレスされたものから復刻されており、音色の柔らかさと色艶が魅力的だが、ノイズは大きく、やはり低域強調の不自然さがある。
今回の1は、2や5よりもノイズが少なく聴きやすいが、5よりもダイナミックレンジが狭く、平面的。それでも強弱の変化が少ない第3楽章前半など、美しい音で聴くことができる。

「フルトヴェングラー鑑賞記」の演奏評と同演異盤CD評を追加

昨年はDG初期盤にお目にかかることが多かったが、今年になってからは、東芝初期盤を目にすることが多い。
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by furt-orooro | 2007-02-23 12:40 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー&ウィーン・フィル

1950.8.5
ザルツブルク音楽祭ライブ

EMI CHS7649012

アイヒンガー氏とクラウス氏のリマスターなのでパスしていたのだが、
OPUS蔵 OPK-7004の解説に、
「HUNTのCDに比べると格段に高域の伸びがあり、全体に大変美しく聴きやすい音に仕上がっている。(1951年「魔笛」よりずっと自然な音)」
とあるので、聴いてみた。

音は、ソロに焦点を合わせているようで、シュワルツコップとフラグスタートの声は最高音まで音割れや歪なく、美しく聴くことができる(第1幕終曲と第2幕終曲の四重唱と合唱などきれいに聴こえる)。
反面、オーケストラの音は詰まっている。ノイズリダクションで低域は形骸化し(音のみボンボン響く)、高域はカサカサとドライな音。
「囚人の合唱」部の本来色艶良いはずのVnはキンキンするし、「レオノーレ第3番」も線の細い迫力のない音になってしまっている(終曲部も四重唱と合唱は良いが、オーケストラの音は薄く、存在感がない)。
オーケストラ・ドライブには耳を閉じて、巨匠と名歌唱を聴くしか仕方がない。
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by furt-orooro | 2007-02-19 12:50 | フルトヴェングラー
b0056240_12461688.jpgフルトヴェングラー&ウィーン・フィル
1950.8.5 etc
ザルツブルク音楽祭ライブ

HUNT CDWFE-354

当時のザルツブルク音楽祭の話題をさらった圧倒的な演奏。

第1曲の二重唱は、シュワルツコップとデルモータ、
第2曲のアリアは、シュワルツコップ、
第3曲の四重唱は、+グラインドルとフラグスタート、
と超豪華メンバーのため、
聴き始めると、途中で止めることが難しい。
どこを聴いても、名歌手たちの名唱。
「囚人たちの合唱」の格調の高さもすばらしく、
巨匠が偉大なる名合唱指揮者であることも実感する。

当CDは、第1幕は、エアチェックのような音で心もとないが、第2幕は一転、十二分な音質で楽しめる。
OPUS蔵、OPK-7004/5は、米BJR盤LPから復刻であるが、かなりのドンシャリな音にリマスターしている。低域は豊かで明瞭であるが、ソプラノが入ると歪みや音割れが生じ、高域は窮屈。
当CDは、「囚人の合唱」のVnの色彩感ある伴奏、第2幕序曲の深さと暗さ、など、細かなニュアンスがわかり、落ち着いた味わいがある。
(提供:M川様)

EMI輸入盤については後日。

「フルトヴェングラー鑑賞記」に「フィデリオ」のINDEXと、同公演レビュー追加。
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by furt-orooro | 2007-02-16 12:40 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー&
ウィーン・フィル
1950.7.27
ザルツブルク音楽祭ライブ

ARKADIA
78 073

序曲冒頭の一撃から度肝を抜かれる。演奏は、1954年公演よりも劇的。
序曲の凄さに比べると、第2幕クライマックス(いわゆる「地獄落ち」の場面)
の迫力が不足し、ここは1954年公演の方が出来が良い。

当CDは「魔笛」同様、音が良く鮮明。
擬似ステと思われるが中抜けはなく、団子状態でもない。圧倒的な広がりある空間の中で、音は鮮度が良く、厚みがある。
四重唱、六重唱など、各パートが立体的に明瞭に聴こえる。

PRICELESS D 16581 MONO は、
音がおとなしい、というか、貧弱なので、ゴッピの声は全編、力不足あるいは言葉を投げているように聴こえるのだが、
当CDでは、ゴッピの声も実にリアルで迫力がある。
シャンペンのアリアなど、前者で聴くと明瞭さに不足するが、当CDでは明瞭明晰。
(提供:M川様)
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by furt-orooro | 2007-02-13 12:40 | フルトヴェングラー
b0056240_12164960.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル
ピアノ:イヴォンヌ・ルフェビュール
1954.5.15
ルガノでのライブ

TOCE-6068

今の演奏スタイルからすると旧態依然とした、何とも重々しいものに聴こえるだろうが、
個人的にはモーツァルトをここまま鳴らし、歌わせてくれるので文句はない。
第2楽章など、殊のほかチャーミングな演奏である。

ジョン・アードインは、「フルトヴェングラー、グレイトレコーディングス」で、このように述べている。
「コルトーに学んだルフェビュールは、流麗で女性らしいピアノを聴かせる。フレーズの型どりも美しく、凝縮されたレガートは、フルトヴェングラーの指揮に見られるのと同じ種類のものだ。」

このCD、音が良い。ピアノの硬質かつ繊細なタッチも生々しく聴くことができる。

同演異盤CD比較
1.FONIT CETRA CDE-1015 
  TOCE-6068と比べると、低域の音の大きさと厚みはあるが、解像度は劣り、ボジボゾする。
2.K33Y-192 1と同質?
3.KICC-7093  未聴
4.TOCE-6068 ☆
5.AS-372 未聴 音は良いらしい 恐らくLP起しの温かみのある音?
6.TOCE-3705  HS-2088リマスター ×
7.ERMITAGE  ERM-120 △ ドライで音色均質化
8.AUR-133-2 × 7よりさらにドライ 
9.IDIS-6445~6 ×
10.DELTA DCCA-0025 △ LP越しでアナログの良さはある

Couplingの「ロザムンデ」間奏曲や、「皇帝円舞曲」も音質良好。

「フルトヴェングラー鑑賞記」に演奏評とCD評を追加
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by furt-orooro | 2007-02-09 12:30 | フルトヴェングラー
b0056240_1735734.jpg東芝EMI CE28-5590/91

1.ブルックナー:交響曲第8番
フルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1949.3.14/15の編集盤

MONO

演奏、及び、ブライトクランク盤に関しては、こちら
第3楽章第2主題のVcは音色が薄い。低域の音量が小さく聴こえる部分も多いが、音色は良好。高低の掛け合いも悪くはない。双方の旋律線がそれなりに織り成されて聴こえる。
当演奏の場合、ブライトクランクもMONOも、各々良さがある。

2.ワーグナー:「ブリュンヒルデの自己犠牲」
フルトヴェングラー&フィルハーモニア管弦楽団
(S)キルステン・フラグスタート
1948.3.26
SP用スタジオ(セッション)録音

1952.6.23と誤記されている。

音が良い。この柔らかな弦楽器群こそ、このオーケストラの音色。
OPUS蔵の復刻より自然な音と音色。
フラグスタートの声は1952年の再録よりも若々しく瑞々しいと評価されている。
スタジオ録音ゆえに、ドラマ的な要素はない。それでもパワーが不足するわけではなく、ジークフリートのテーマ、「魔の炎の音楽」から「ワルキューレ」のテーマ、「救済」のテーマへのオーケストラの高揚など、格調高いフルトヴェングラー流のタクトに導かれて、オーケストラは緊密なアンサンブルのサウンドを聴かせてくれる。
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by furt-orooro | 2007-02-07 17:10 | フルトヴェングラー
b0056240_1431583.jpgベートーヴェン:「英雄」
フルトヴェングラー&ウィーン・フィル
1944.12.16-18

DELTA
DCCA-0031
全楽章ピッチ修正

第1楽章ピッチ未修正を収録

URLP-7095起し。
丹念な仕事師の手法により、音色はそのままでノイズのみを軽減している。
よってこれまでノイズに埋もれていた部分まで明瞭明晰に聴こえてくる。

ウラニアLPの復刻+当日演奏の音色再現、の両者を成し遂げている。
各楽器の音色(Vnの高音の伸び、Vcの温かな音色)は鮮烈鮮明ですばらしく、楽器間の分離も良い。
本来あるべき音が、あるべき音色で、あるべき場所から再現されてくるようだ。

同演異盤CDを20数枚聴いてきたが、これがベストであろう。

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by furt-orooro | 2007-02-01 00:00 | フルトヴェングラー