CD鑑賞日誌


by furt-orooro

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フルトヴェングラー&フィルハーモニア管弦楽団
1954.8.22
ルツェルンでのライブ

TAHRA
FURT-1003

演奏については、
「フルトヴェングラー鑑賞記」を参照。

同演異盤CDについて、一般的には、
「KINGのCDは『劣悪』で、当TAHRAは放送局からの正規音源で、音質鮮明」
と評価される。
放送局正規音源そのままなら良いのだろうが、当然のことながら、リマスターされている。
それで、
空間が広く、水ぶくれ的な音。強弱の音量さがなく、単なる「音」の洪水となっている。弱音部の深淵さとダイナミズムの大きさという巨匠の至芸が生かされていない。
FURT1054-57の後のリマスターは、その反省を生かしたのかどうか定かではないが、「水ぶくれ」のような音にはなっていないが、今度は反面、音の周囲の成分まで削り落とし、音色がなくなっている。

では、KINGの初出CD、K35Y-41では生かされているのかと言われると、これまた、こちらは甘くマスクされた音になっていてそうは言えないのが実情。
それでもK35Y-41は、弱音部は弱音になっていて、強弱のダイナミズムは大きいので、TAHRA盤よりはまだましだろう。
嗜好と感性の問題ではあるが、個人的には、best盤は現時点ではなく、K35Y-41をsecond bestとする次第である。

K35Y-41については、7/28の記事を参照。

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by furt-orooro | 2006-09-26 12:45 | フルトヴェングラー
b0056240_12341373.jpgフルトヴェングラー&ウィーン・フィル
パドゥラ=スコダ(P)

1952.1.27 PM5:00
シェーンブルン宮殿シュロスホール
モーツアルト協会主催誕生記念日演奏会でのライブ
(この日は、AM11時より、ムジークフェラインで、オール・ブラームス・プログラム(ハイバリ、ドッペル、Sym.1)を行っている。)

ドイツ・フルトヴェングラー協会
TMK-200406152

9月17日日曜夜、教育テレビの芸術劇場で、バレンボイム&ベルリン・フィルのモーツァルト、「ハフナー」、当曲、ホルン協奏曲、「リンツ」を見た。厚みのある弦の響きと、世界1の木管パートの名手たちの名人芸が融合した見事なものであった。世界1のアンサンブル。
それ以来、当CDを引っ張りだしてきて、ウィーン・フィルのサウンドに浸っている。

演奏は、ルフェビュールとの20番に比べると秀でた点はない、などとも言われるが、
どうしてどうして、 ゆったりとした流れの中で、旋律はアリアのように歌われ、魅了される。
スコダのピアノタッチは羽毛のようにソフトでしなやか。第3楽章第1主題の少しの力みもないソフトタッチでのコミカルさはどうだろう。
この曲の中には、「フィガロの結婚」に通ずるメロディーも多いのだが、第1楽章の第2主題や第3楽章の第2主題など、アリアのように歌われている。
木管パートの比重が多く、ピアノだけでなく木管奏者の出来が肝心。当演奏は、このコンビによる「グラン・パルティータ」の演奏同様、ふくよかな響きで良いものである。

音質はアイヒンガー&クラウスのリマウスターなのでのっぺりした音で心もとないが、これというものがないので仕方がない。

同演異盤CD、
1.MUSIC&ARTS CD-1097 未聴
2.IDIS 6388 デジタル音で× 

なお、フルトヴェングラーのモーツァルト、ピアノ協奏曲で残されているものは、
1.第10番 VENEZIA V-1018
2.第20番 FONITCETRA CDE-1015がベスト
3.第22番
どれも聴いていただきたい。

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by furt-orooro | 2006-09-22 12:30 | フルトヴェングラー
b0056240_125452100.jpgフルトヴェングラー
ストックホルム・フィル、合唱団
1948.11.19
ストックホルムでのライブ

EMI(ELECTROLA)
CZS 25 2321 2

出谷啓氏は、フルトヴェングラーの演奏について、
「(フルトヴェングラーは)またアウフタクトを大切にすると同時に、音楽に生気あるリズムを注入する。音楽の真髄はリズムに始まり、リズムにつきることを雄弁に物語っている。リズムに生気を持たせることにより、ゲサンク・フラーゼ(旋律楽句)をまさにゲサンク(歌)として、自然に再現できるという指揮論を打ち立てた」
と述べている。
その本質は、オーケストラ曲だけではなく、オペラと声楽曲におけるソロとコーラスにおいても余すところなく発揮されている。

当演奏はその顕著な一例。
コーラスのレベルは高く、おそらくリハーサルでフルトヴェングラーに指示されたであろうことを、その通りの、しなやかな流れによる豊かな「歌」としている。
各パートはオーケストラの楽器の一つとして扱われており、オーケストラと見事に融合する。
オーケストラの弦楽器群もウィーン・フィルのように艶やかだ。
第2楽章の弦楽器群の神々しい音色、第7楽章のVnの麗しき高音。よくもここまでの音が出せるものだ。
(クレンペラーとジュリーニのウィーン・フィルとの演奏では弦楽器群が全体に埋もれてしまっているのだが、この演奏でのVnの甘美な高音は神々しい色彩に溢れていてすばらしい。)
第4楽章の清らかな美しさ。第6楽章後半のフーガのすばらしさ。テナーはVcのように、ソプラノはVnのように歌われているではないか。

当CDの音質も、録音年代からすれば、良いものである。ノイズとフォルテでの音割れはあるが、全体としての鑑賞に支障はない。
フルトヴェングラーのこうした録音は決して「音が悪い」訳ではないし、「音が悪いので感動できない」ということもない。

同演異盤CD
1.Music&Arts CD289「アメリカ・フルトヴェングラー協会」仕様
 DENON&Nippon Columbia製 ○
2.東芝 TOCE 6062/63  ☆
3.当盤 ○
4.東芝 TOCE 3797/98 ノイズリダクション強く、荒れた音 ×
5.ARCHIPEL 4+のっぺりした音 ×

同曲異演
クレンペラー(フィルハーモニア盤、ウィーン・フィル盤2005.8.10の記事参照)、
ジュリーニ(ウィーン・フィル)
は、音楽の流れのベクトルが逆方向で流れを阻害している。
シューリヒトは、オーケストラに難がある。
カラヤン(新旧両盤)は流麗であるがダイナミックな変化を避けている。
バレンボイム(CSO)、やりたいことはわかり、オーケストラとコーラスのレベルも高いが、訴えかけてくるものがない。

ということで、当盤は、当曲を語る際に、聴かなければならないCDである。

レビューは、「フルトヴェングラー鑑賞記」より。

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by furt-orooro | 2006-09-15 12:50 | フルトヴェングラー
フルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1949.3.15
ティタニア・パラストでのライブ

HUNT
CDWFE356

フルトヴェングラーの同曲演奏については、5月16日の記事を参照。
「数あるHUNT盤の中で51年の「魔笛」ともども音質優秀で愛聴してます。オススメです。」
とのコメントをいただき、探していたものである。
最近聴いたHUNTの1954.4.10の同曲(来月OPUS蔵とGRANDSLAMでリリース)、「魔笛」、1952.12.8の「英雄」はどれも音が良い(ただし、1951.8.19のブルックナー5番は×)。

第1楽章第2主題、第3楽章第2主題の美を湛えたアリア的な麗しさ。弱音部からの一直線のアッチェレランド&クレッシェンド、その漲る覇気と気力とエネルギー。シンメトリックな極大の構成美。やはり最高度の演奏表現であると思う。

「オーケストラがうねりうねって、聴き手をそのうねりに巻き込んで離さないような異様な感覚は、やはりフルトヴェングラー特有の魔術」
とのコメントも頂いている。

同演異盤CD
1.HUNT ○
2.MUSIC&ARTS △
3.KING 未聴
4.EMI 歴史的ブルックナー録音集CHS5-66210-2 △
5.ドイツ協会 未聴
6.SERENADE △
7.ARCHIPEL ×

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by furt-orooro | 2006-09-11 12:40 | フルトヴェングラー
b0056240_20523881.jpgフルトヴェングラー&ベルリン・フィル
1952.12.8
ティタニア・パラストでのライブ

RODOLPHE
RPC32522/24

当CDは片チャンネル仕様のため、困っていたら、Mさんが
「反対側のチャネルのインデックスで分断されたものをつなぎ合わせて、
両チャネルにしたもの」
を作成してくださった。

音質は実に良い。当日の会場のS席にいるようである。
pやppの深い深いニュアンスがそのままの音量でよく聴き取れる。ffは破綻なく、一点の曇りなく、こちらにクリアな音がそのまま向かってくる。
第4楽章序奏最後の和音の長い残響なども、この会場ではこう響いたであろうと思わせる。

良質な音により、演奏のすばらしさを再認識させられた。
巨匠とオーケストラがこの曲を熟知し、「自分のもの」とし、阿吽の呼吸で音の緩急強弱を自在に操って、作品を構築している。
このコンビでのこの曲の完成されたスタイルを聴くことができる。

残念ながらプライベート品なので、
当RODOLPHEの両チャンネル盤発売を強く望む次第である。

レビューは、「フルトヴェングラー鑑賞記」より。

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by furt-orooro | 2006-09-07 15:05 | フルトヴェングラー
b0056240_9311844.jpgフルトヴェングラー&ウィーン・フィル
1952.11.24,25
ムジークフェラインでのスタジオ(セッション)録音

東芝 CC35-3163

新緑の時はもちろん、秋の気配漂う清々しい時に聴くにも適している。

エーリッヒ・クライバー、ワルター、ベーム、カラヤンなどの同曲演奏を聴いてきた耳に、
当演奏、第1楽章の緩やかなテンポは衝撃であった(当初は「遅い」と思ったものだが、最近は決して遅い訳ではなく、「最適」と感じる)。
第5楽章のうねりを伴う高揚とその後の深さなども好みの分かれる点ではあるが、ワルターとはまた別のスケールの大きさと深さがある。

今回、東芝
1.CC35-3163
2.CC30-3361/66
3.TOCE 7530/34
で演奏に浸ってみた。
2はモノクロカラー、3はシャープな音で鮮明ではあるが聴き疲れする。
1は擬似ステであるが、音の周りの空気感も残されていて、2楽章など、ムジークフェラインでの美しい響きを味わえる。

「フルトヴェングラー鑑賞記」の同曲演奏欄にレビュー追加。CC35-3163のレビュー改訂。
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by furt-orooro | 2006-09-05 05:30 | フルトヴェングラー