CD鑑賞日誌


by furt-orooro

カテゴリ:クレンペラー( 7 )

クレンペラーについて

TESTAMENT
クレンペラー&ウィーン・フィル BOX、聴き終りました。

ここで、私とクレンペラーについて。

クレンペラーには、かなり投資しました。
ベートーヴェン、ブラームス、シューマンの交響曲全曲、
ハイドン、モーツァルト、シューベルトの交響曲、
マーラーの2、4、7、9番、
ベルリオーズの幻想、ドヴォルザーク「新世界」、
メンデルスゾーン、チャイコフスキー、
ワーグナー管弦楽曲集、
果ては、ヘンデル「メサイア」、バッハ「ロ短調ミサ」、
ブラームス「ドイツ・レクイエム」、
ベートーヴェン、ブラームスの協奏曲の数々。

ベートーヴェン「第7番」、第1、4楽章、
「第5番」、
のフルトヴェングラーとは対極の悠然たるテンポ、大味ながらも両翼配置の妙味を愛聴しました。
一方、「英雄」、「合唱」、「ザ・グレイト」、「ライン」、シューマン「第4番」など、
金太郎飴的(インテンポと強弱のダイナミズムの不足)大味さの良さがわかりませんでした。

今手元に残っているのは、
メンデルスゾーン「スコットランド」、「イタリア」、
マーラー「復活」、(EMI スタジオ録音)のみ。

最晩年、VPOならではの良さとともに、中々の「歌心」を発揮しており、
クレンペラーの別の面を見た思いです。
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by furt-orooro | 2005-08-16 20:09 | クレンペラー
ブラームス ドイツ・レクイエム

MONO
1958.6.15
(S)Wilma Lipp
(Baritone) Eberhard Wachter
ウィーン楽友協会合唱団

9:27 13:12 8:47 5:19 6:14 10:12 10:42

MONOとは言え、広がりと奥行きあり、良好。
コーラスはソプラノ、アルトはまとまりがあり、良いのだが、テノールとバスは人数が少ないのだろうか。特定の個人の声が時に目立ち、ハーモニーにむらがある。
オーケストラの「歌心」は、やはりVPOならでは。POスタジオ録音よりも良い。
(フィルハーモニー合唱団の英語訛りのドイツ語でないのも利点)

Ⅰ.Vn、Vcのソフトな歌。この時期のクレンペラーにしてはよく歌う。
ハープが出る部分は、テンポが速くなる。
コーラス各パートは良いが、全体としてのハーモニーが不安定で、美しさに欠ける。
オーケストラが割りと深い呼吸で演奏しているのに、コーラスのフレーズが浅い。
結部のアルト、ソプラノが絶叫気味なのも、美しさを減じている。

Ⅱ.A主題(葬送行進曲)、オーケストラのフレーズは鳴り切らず、8割方の印象。
2回目のクレッシェンドで、トロンボーンがダーダーと強奏していく。
コーラスは「歌」というより「語り」である。
B主題、スタッカート気味に歌詞を置いていくので、レガートな流れはない。
C主題、猛然と速いテンポで疾駆する。テノールが出るとテンポが戻る。
金管群を自主性に任せて吹かせているのだろうか。気持ちよいが、バランス悪く耳障りになる。

Ⅲ.バリトンの声はすばらしい。
フーガ、テンポは速い。歌詞を「語る」ので明瞭。リズミカル。迫力はあるが、優美ではない。

Ⅳ.一転、こちらは優美な流れ。Vnの清純な音色は麗しい。Vnの最高音の1音のヴィブラートも、ハッとさせられる。コーラスも潤いが出て、充実。弱音部の繊細な情感は良い。

Ⅴ.Lippの声の伸びは麗しい(オペラチックに聴こえる方もおられるだろう)。

Ⅵ.テンポは速い。コーラスはやはり「歌」よりは「語り」。バリトンは充実した響き。
“Denn es wird die Posaune schallen” 
からは強烈なアクセント(シンコペーションを強調している?)。
フーガ、アルト、ソプラノは良いのだが、テノールが聴こえない。強音部で女声陣に比べて男声陣が弱い。それでも圧倒的な構築で感動的。

Ⅶ.“Selig”と大きな音量で出る。迫力はあるが、美しさもほしい。クレンペラーならではの大味さで、繊細さや静謐さに不足するが、コーラスの厚みはある(テノールも健闘)。
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by furt-orooro | 2005-08-10 17:20 | クレンペラー
マーラー 交響曲第9番
1968.6.9
27:25 17:27 14:11 24:46

Ⅰ.弦楽器群の響きの密度が濃い。高低の対比がよくわかる。ホルンのミスあり。
弱から強への移行が鮮明。提示部ラストに向けての緩やかなアッチェレランド、そして大音響、その後のリタルダンド。
展開部、Vc、Vn共に、よく歌っている。
再現部、鐘が実に美しく挿入される。 Vn、Vcは提示部以上にうねりを伴う歌となる(バルビローリのようだ)。
コーダ、テンポは遅く各フレーズは繊細に奏でられて行く。
24:53-風のような音(飛行機音?)が入る。

Ⅱ.A主題、Vn、Vcがゆったりと隅々まで歌う(POとのスタジオ録音の淡白さはない)。
B主題は、テンポが速い。速さの内にも、各フレーズはしっかりしている。
A主題の緩やかさとB主題の速さの緩急のコントラスト。

Ⅲ.各フレーズが明瞭で細部まで見通しが良い。金管群が自発的に気持ちよく吹いているのを感じる。最強音でも金管群は濁らず美しく響く。
トリオ、テーマを出すホルンはミスしているのだろうか?(dynamidenさんに聞いてみよう)
Vc群の綿々とした歌がすばらしい。
トリオが終わり、全合奏でトロンボーンが出るところをテヌートにしている。
それまでとその後のリズミカルさと対照的でハッとさせられる。

Ⅳ.弦楽合奏の厚み、清らかさ、透明なサウンド。ホルンの響きも優しい。VPOサウンドでこそ成し遂げられる至純な境地。
美しさと繊細さでPOとのスタジオ録音を凌駕するし、バルビローリのような人間的なものを感じさせない。
4:00-DBの響きの上での第1Vnの透明な音色はどうだろう。
5:08のVc群、続く、Vnソロもピュアな響き。テンポが幾分あがり、Vc群が元に戻す。
6:08-、ホルンのテーマとVnの溶け合いの良さ。
7:04-のVcの音階もバルビローリ並みの芳醇さ。
美しさが前面に出る、透明精美な世界の連続。
弱音部でのVcの優しい歌。
結部のVcソロの見事な音色。弱音部分を繊細に音化している(随分、忍耐強くなったものだ)。
Vcから第1Vnの高音がスーと導き出されてくるフレーズが絶品。ここには唐突さがない。
ここもVPOならでは可能になったのだろう。
クレンペラーとは思えない、深遠な出と繊細なフレージング。VPOならでは。
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by furt-orooro | 2005-08-09 17:08 | クレンペラー
モーツァルト:交響曲第41番 「ジュピター」
1968.5.19
12:33 9:11 4:24 9:27

Ⅰ.提示部、Vnがしっとりと歌い抜かれる。第1、第2Vnの左右の響きも美しい。第1Vnの伸びが良い。第2Vnを受けるVcも大きなうねりを伴う歌。
イン・テンポではなく、 各テーマに応じて流れに変化をつけている。
提示部リピート。
Ⅱ.清楚透明な響き。スローテンポ。レガートでの歌。Vcも綿々と歌う。
POとのスタジオ録音ではみな考えられなかったこと。
中間部で、Vnが1拍目にアクセントをつけている。
Ⅲ.一転、速いスピード感(クレンペラーにしたら信じられない!)。
Vnのスーとした歌。その後のリズミカルさとの対比。
トリオ、Trpは抑制されながらも、それとなく主張している。
Ⅳ.速いテンポの中で、1音1音がしっかり置かれていく。流れを損なわず、フレーズを窒息させない良さがある。
フーガ、第2Vnのさわやかなフレーズに始まる。その後、各楽器はリズミカルにフレーズを奏でていく。
スピード感と、流れの良さと雄大さ。各楽器の各フレーズの明瞭さ。

ジュリーニのように遅かったらどうしようと思ったのだが、Ⅲ、Ⅳには完全に意表を突かれた。
Ⅳは、このシリーズ中マーラー9番Ⅳと並びベストの演奏。
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by furt-orooro | 2005-08-09 09:26 | クレンペラー
ブルックナー:交響曲第5番
1968.6.2

20:47 14:53 14:08 25:13(演奏は24:47)

Ⅰ.第1主題、金管がソフトで美しい。
第1Vnと第2Vnの左右の掛け合いが見事。
リタルダンドしたあと、次のコラールは速い。
第2主題、速めのテンポで心地良い。
第3主題、低弦ピチカート部は遅く、木管からの後半は速いテンポ。
間髪入れずに、展開部へ。
緩い弱音から、最強音へのダイナミックな変化。
コーダは速い。
インテンポではなく、 主題に応じた速度変化がある。

Ⅱ.第2主題、第1主題より速い。弦は速さの内に、歌心と粘りがある。
金管は名人芸でクリアにマイルドに響き、感動的。

Ⅲ.Vn両翼配置の妙味。
トリオ、ホルンの懐深い響きに支えられている。

Ⅳ.1:43からの第1主題のフーガ。低弦が殊のほか歌っている。
第2主題、第2Vnから始まり、これも速めのテンポでありながら、左右のVnがよく歌っている。
次第にテンポが落ちる。
第3主題後の、コラール主題の出が間髪入れず唐突なのが残念。
展開部、10:00-、第1主題のフーガ。ゆったりと始まる。第1、第2Vnの大きな歌。
23:15 背後のホルンが小さい。
Tiの充実した響き。

1音1音はしっかり音になっていくが、各フレーズが100パーセントあるいはそれ以上に奏でられていくことはない。8割がたの印象。よって、フレーズの短さと浅い響きが耳に残る。
ヨッフムやケンペのように音響効果を考慮したものではない。よって聴後の充実感はない。
もちろんクレンペラーはそのような効果には目もくれず、浸すら真摯にスコアに向かい音化しているので、その芸術には敬意を表さざるを得ない。
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by furt-orooro | 2005-08-07 09:25 | クレンペラー
1968年6月16日の公演

1. シューベルト 「未完成」
  15:27 12:30
 Ⅰ.冒頭かなりの音量で始まる。第1主題のOb、響きは浅いが、美しい。
   ブリッジ部のホルンは抑制されており、目立たない。
   第2主題、Vcが中央から、レガートが欲しくなる。
   弱音の音量が大きいので、弱から強への変化は小さい。
   VcとVnとの高低の掛け合いの妙味はよい。
   展開部、第1Vnと第2Vnが左右一杯に広がる。
   再現部、Obが疲れてしまったのか、詰まり気味の音。
   フォルテの後、Vcがむせび泣くかのように歌う。
   クレンペラーにしては意外に歌わせている

   (ステジオ録音の「未完成」ではないことだった)。
 Ⅱ.第1主題、Vnの音色が美しい。
   第2主題、Cl、Obの後のVc、その後のVnともに、割とよく歌っている。
   Vnの伸びが良い。 クレンペラーの歌心の意外な一面がよく出ている。
   
(dynamidenさんの指摘されるように、オーケストラの自発性によるのか)
   第1主題2回目では、Vn、Vcともに1回目以上の歌となっている。
   第2主題のObの詰まり気味で浅いフレーズが残念。

2. R.シュトラウス 「ドン・ファン」 18:08
   テーマ、壮麗雄大。密度の濃いアンサンブルに圧倒される。
   Vnソロは妖艶。弦楽合奏もクレンペラーにしては、優美な歌となっている。
   行進曲、ゆったりと恰幅よい。
   Obソロは浅い響きで、他の木管群が甘美で懐深いのに。
   ファンファーレ、徒に効果を狙うことなく、バランスが良い(金管だけが目立つことがない)。
   第2Vnの活躍。Trpは2音目にアクセントをつけている。
   テーマから結部。壮麗。密度濃く、有機的な響きの連続で感動的。

3. ワーグナー 「ジークフリート牧歌」 19:15
   弦楽器群はソロ奏者のみなのだろうか。室内楽的な響きに始まるが、木管、ホルンが入ってくると、独特のバランスの良さに魅了される。
   中間部は、Vn協奏曲風(というか、変則的なVnソナタ的)でもある。

4.  「トリスタンとイゾルデ」前奏曲 12:10
   Vnのすばらしい響きで始まるのだが、Obが出てくると、その鼻詰まり的なフレーズですべ   てが台無しになる。Vcは割りと歌っているが、もっとレガートがほしい。
   Vnは深遠でまとまりのあるフレーズの数々だが、Obがそれと張り合うように強く吹かれて   耳障りになってしまう。

5. 「マイスタージンガー」前奏曲 11:30
   超スローテンポ。「行進のテーマ」になるとさらに遅くなる。これでは行進できません。
   「第5」同様、最後にはテンポが速くなるのだから、完璧なるイン・テンポでは決してない。
   それが、他でも魅せられればよいのだが。
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by furt-orooro | 2005-08-05 12:27 | クレンペラー

TESTAMENT
SBT81365
クレンペラー&ウィーン・フィル
1968年ウィーン芸術週間ライブ集

パート1  「第5」追加(8月4日)
1968年5月26日ライブ
STEREOで音質良好。

1.ベートーヴェン 「コリオラン」序曲 9:13
  フルトヴェングラーのような魔術的なアゴーギク、自然の推移はない。
  第1主題、1音1音噛締めるようなイン・テンポ。
  第2主題、第1主題より速くなる(特に2回目)(疑問!)。Vnは厚く輝かしいが、もっとレガートで優美に流れてほしい。第2主題3回目の入りもスーと普通に出てくる(より繊細に、深い所からの入りがほしい)。
  コーダ、Ti、ホルンのしっかりとした響き。
★★
  
  *フルトヴェングラーの1943年の演奏をVENEZIA盤かDELTA盤で聴きたい。

2.ベートーヴェン 交響曲第4番
  13:28 10:59 6:27 8:30
Ⅰ.序奏、 奥深く密度の濃い響きに圧倒される。
  第1主題、Vnの左右の掛け合いの妙味。第2主題、木管1本1本の鮮明な響き。
  提示部リピート。
  展開部末部から再現部への移行が、両翼配置の左右の掛け合いのもと、感動的に成されている。インテンポ+両翼配置型の中では、最もスケール雄大。
Ⅱ.インテンポで静的。木管群の深い響きが印象的。Vnの入りに時にデリカシーが不足する。
Ⅲ.リピートあり。
Ⅳ.インテンポ。確固とした造形を伴う「流れ」で、スケール雄大。
★★★

3.ベートーヴェン 交響曲第5番
  8:58 11:31 6:26 12:30
POとのスタジオ録音よりさらに数段遅いテンポ。クレンペラー編曲ヴァージョンを聴く感あり。
これからクレンペラーを聴く方は、スタジオ録音を聴いた方が良いだろう。

Ⅰ.ゆったりとした、角のとれた丸みを帯びた表現。独特の境地。ジュリーニよりも遅い。
Ⅱ.テーマのVcは、スラーとタイなので、もっと流れてほしい。遅さの内にも、前へという流れはある。
Ⅲ.Vc・DBからのフーガ部分は、スタッカート気味で飛び跳ねるよう。
ブリッジ部でテンポが上がらないまま、Ⅳの金管と共に、突然走り出す。
「速くなるかな」と思いきや、その後は、また、もとのテンポ。
提示部リピート。
コーダは緩やかにアッチェレランド。速く成らざるを得ないのだ。
最後のTiが楽譜通り残されている。

超スローテンポながら、流れを損なわない良さはある。
ウィーン・フィルの響きも充実している。
★★

   
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by furt-orooro | 2005-08-03 13:19 | クレンペラー