CD鑑賞日誌


by furt-orooro

NHK音楽祭のコンセルトヘボウ、「悲愴」

11月12日(金)、NHKホール。
◆オーケストラについて。
特筆すべきなのは、木管群の太さと音色。1本1本の音色の違いが明瞭で、かつ音色がしっかりしていて、音楽的で美しい。特にオーボエ。
次ぎにVc。BPOとVPOの中間の音色。BPOほど重厚でなく、VPOのように高音でない。明るすぎず渋すぎず、精度よく、透明感あり「きれいな」音色。Vcに比べるとVnのアンサンブルは先端部分で不揃いで、粗さが目立つ。ここが今後の課題。

◆「悲愴」の演奏。
Ⅰ.最初のフォルテの金管が強く出すぎてバランスを崩した。展開部ではそれを踏まえて修正されたようで、抑制され出すぎることはなかった。
木管、特にオーボエは太くしっかりしてすばらしい。
提示部の第2主題はレガートでなく、あっさりしていて、がっかりしたが、再現部では十二分にレガートされ、提示部とのコントラストがつけらえていた。「最初十分あとサッサ」というフルトヴェングラーとは対照的で、ヤンソンスの緻密な構成を伺い知れた感。
チューバも澱むことなく明瞭で良い。
Ⅱ.冒頭Vcの音色がすばらしく、本日の白眉。この音色はこのオーケストラにしか出せない。B主題でTiを少しずつクレッシェンドさせるのが印象的。
Ⅲ.Tiとシンバルが明瞭に、それでいて全体とのバランスを崩すことなく入っていた。金管の力量も良い。どなることなく、どこまでもマイルドで柔らかい。
Ⅳ.第1主題はあっさり入る。第2主題はVnがヴィブラートをかけて入る。速めのテンポで追込んでいき、クライマックスのフレーズ。フレーズは歌い抜かれるが、楽器が入りきっていない(鳴りきっていない)。あとちょっとのことであるが、そこがフルトヴェングラー&BPOとの差になるのだろう。
きちんとクライマックスに焦点を置いて、そこにうねるように盛り上げていく構成と手腕は見事。コーダも最後まできちんと振られている。それで最後の音が終わってからの余韻が長く、感動的。

Ⅰの第2主題、ⅡのB主題のTi、Ⅳの第2主題とクライマックス、そしてコーダなど、ヤンソンスの細部に至るまでの丁寧な彫刻が印象的。大雑把なところがない。そして、それらを小細工のように感じさせないのが良かった。

このオーケストラはCDで聴くより、実演の方が良さが出るのだろう。CDだと渋めの中間色になってしまう。コンセルトヘボウで聴くのがベストなのでしょう。
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by furt-orooro | 2004-11-15 09:18 | 日記