CD鑑賞日誌


by furt-orooro

ベートーヴェン:交響曲全集 東芝 TOCE-55975/80

b0056240_1710314.jpgフルトヴェングラー
ベートーヴェン 交響曲全集

EMI MUSIC JAPAN
TOCE-55975/80

各曲別コメント

1番、4番
1番は1952.11、4番は1952.12録音だが、録音条件の違いか、CC35では1番のVnはカサカサするのに対し、4番のVnは色艶が良い。
TOCE-55975/80も同様で、CC35よりステレオ・プレゼンスは軽度であるが、1番のVnはカサカサするのに対し、4番のVnは色彩感がある。4番は低域もポンつかず、当全集中では最も出来が良い。

2番
演奏はすばらしい。1楽章の巨大なエネルギーの発露、オーケストラと一緒になっての凄まじい推進力。と思うと、第2主題や第2楽章のウィーン・フィルの美しさを生かしたチャーミングなフレーズの数々。巨大さと美しさが同居する。
元々の録音が悪いので、五十歩百歩ではある。
TOCE-7530/4や伊EMIよりも弱いステレオ・プレゼンス。高域の浮揚する美しさはあるが、強音部は低域が強調され、異様な様相。

3番「英雄」
古風な音と言えばよいのだろうか。これまでのリマスターとは逆行し一昔前の音に戻ったようだ。鮮度と鮮明さを求める方々に評価されるかどうかは疑問。
高域の空間は狭く伸びもない。低域の音色は温かみがあるが、強音部では低域優勢、偏重で不自然でもある。

5番
「英雄」同様。第2楽章のVcやその後のVnなど煌く色彩があり、個々の楽器の音色は良いが、強音部は低域が出すぎてボコボコした音になり不自然。

6番「田園」
「英雄」に比べると高域に華やかさがある。低域の温かな音色と高低の分離の良さは良い。
特にVcとDBは、TOCE-7530/4の音色が希薄なので、当リマスターの方が音色があって良い。

7番
これは不思議な音だ。ベールがかかった鼻についたような音でありながら、1楽章序奏、2楽章冒頭などの高低の掛け合う部分では、高低が明瞭に分離して、思わずハッとさせられる。1,2楽章に比べて、3,4楽章は解像度が劣り、ボコボコした音。

8番
音質は、2番同様。

9番
Vnはかすれ気味。低域が目立つ。
1楽章、再現部、Tiはリアルに響きが他は混沌。
3楽章のVnはかさついており良さは出てこない。第2主題のVnの伸びも不足。
4楽章、DB・Vcの音色は良い。主題の変遷部分、Vc・DB、Va、Vn、各々の音色美は明瞭。


最近、
1953年「フィデリオ」 スタジオ録音
東芝 CE25-5819/20
をよく聴いているが、ここに聴くウィーン・フィルは、Vnの煌き、Vcの温かな音色と、すばらしい。
これをリファレンスとして今回の全集を聴くと、音の違いにとまどうばかり。
この「フィデリオ」のような音で全集を作れないものだろうか。
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by furt-orooro | 2007-09-05 23:09 | フルトヴェングラー