「バイロイトの第9」 1951.7.29 本公演ライブ
2007年 07月 20日
1951.7.29
フルトヴェングラー・センター
WFHC-013
本公演ライブ
バイロイト放送音源世界初出
東芝EMI TOCE-7534との比較
TOCE-7534
17’44 11’56 19’29 24’56+拍手
WFHC-013
18’05 11’50 19’20 25’00 拍手なし
Ⅰ.TOCE-7534のマーカーは、1’36(40小節)、2’39の咳。
3’30(103小節)の足音。展開部のVnの入りは5’28。
WFHC-013では、1’45(42小節)、3’20(90小節)の咳。
展開部のVnの入りは5’42。
冒頭の「生成」はEMI盤よりも、丁寧に流れよいテヌートで成されている。
再現部結び、EMI盤14’20からのアッチェレランドは、
当盤では、14’40からで、EMI盤のような加速ではない。
下記、桧山先生のコメントにあるように、粗さはなく、より洗練されている。
Ⅱ.TOCE-7534には、聴衆ノイズがほぼ皆無。
WFHC-013では、トリオのリピート部、ホルンの前に1箇所、木管部分に2箇所、
ホルンが終わったあたりに1箇所、
スケルツォ再現部に1箇所(木管群の細かな動きの部分)に咳が入る。
両端部、TOCE-7534より、推進力があり、リズムも決まっている。縦横の流れが良い。
Ⅲ. TOCE-7534 WFHC-013
Andante moderato 3’13 3’16
3’18 咳 なし
TempoⅠ 4’50 4’54
63小節 7’25 咳 7’28 あり
Andante moderato 7’38 7’40
8’38 咳 なし
Adagio 9’14 9’10
87小節 9’41 咳 あり
90小節(ホルンの出る前) 9’51 咳 あり
95小節(pizz) 10’25 咳 あり
Lo stesso tempo 10’49 10’47
これ以後の咳は同じ
よって、TempoⅠの部分、及び、Adagio以降は同一演奏と思われる。
Ⅳ.序奏部は低域が豊かに鳴る。
休止の後のテーマ部、音量が上げられたようで、音が大きくそろっている
(音質も変わる)。
バリトンのエーデルマンの声には十分な伸びがある。
伴奏のpizzが太く、Flがよく聴こえる。
Gott後の休止は、残響の収まる時間+α。
Seid umからのフーガ、ホルンとTrbが明確に浮かび上がってくる。
Schöpferの男声がEMI盤のように突出しない。
フーガ最後のTrp、Trbも目立つ。
コーダの決めもEMI盤とは異なる。
従来の「バイロイトの第9」とは一味違う全公演ライブを聴ける意義は大きい。
音質面では、これが、OTAKENの「ルツェルンの第9」方式でCD化されれば、
さらに鮮度鮮明度が増すのではないかと思われる。
フルトヴェングラー関連諸団体の大同団結で実現できないものだろうか。