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CD鑑賞日誌


by furt-orooro

ブラームス:交響曲第1番 1952.2.10

フルトヴェングラー&ベルリン・フィル

1952.2.10
ティタニア・パラストでのライブ

フランス・フルトヴェングラー協会製作
ドイツ・フルトヴェングラー協会共同頒布

WFG/SWF 062

ブラームス 交響曲第1番、
フルトヴェングラーにぴったりでありながらベスト盤はないとも言われる。
北ドイツ放響(NDR)との演奏もベストに推す方も多い。
が、やはり、1952.2.10のこの演奏、雄大崇高、壮麗で、フルトヴェングラーの同曲演奏のベストではなかろうか。
ベルリン・フィルの落ち着いた深みのあるサウンドに、Ob、Fl、ホルン、Trp、Trb、Tiの名手たちの色彩ある音色が融合する。オーケストラは手兵だけあって、阿吽の呼吸で、フルトヴェングラーのタクトに瞬時に反応し、指揮者の意図を余すところなく音化している。
その堅固で緊密、結晶化されたアンサンブル はすばらしい。

ジョン・アードインが、「フルトヴェングラー、グレイトレコーディングス」、
ブラームス 交響曲第1番のページ
で述べている次の事柄が、この演奏にあてはまる。
「フルトヴェングラーのブラームスには、力と猛威、細部に与えられた広さ、ミケランジェロの作品を思わせるむきだしの壮大さがある。ミケランジェロというたとえは、彼が彫刻家、画家、建築家の顔を持っていたことを踏まえてのものだ。フルトヴェングラーも同様で、ブラームスの交響曲を成形し、着色し、構築して、壮麗にして堅牢、装飾的な殿堂を作り上げている。

WFG/SWF 盤 音質について。
DG旧盤はドライで音がこもり、DG OIBP盤は音色減退していた。
当盤は、臨場感があり、弦楽器群はある程度瑞々しく、Tiと金管群はリアルに響く。
第2楽章の、VnやVnソロは大音量で、人為的に持ち上げられているかもしれない。
楽章間のインターバルがカットされておらず、終演後の拍手も長時間収録されている。
第4楽章ラストのコラールからコーダの圧倒的な表現を目の当たりにして、終演後茫然自失の聴衆が、我に帰り盛大な拍手とブラボーの嵐で応えていく様も感動的である。
日本では盤起し全盛期だが、ヨーロッパには、このような音源がまだまだあるのだろう。

フルトヴェングラー・センターなら、このブラームスの交響曲全集は4000円で入手できる。
この盤でお聴きいただきたい。

当演奏については、「フルトヴェングラー鑑賞記」の同演奏欄も参照。
by furt-orooro | 2007-01-17 12:30 | フルトヴェングラー