ブルックナー:交響曲第8番 1949.3.14,15
2006年 12月 21日
1949.3.14/15 の編集盤
東芝EMI TOCE-6521/2
ブライトクランク
当CDは、第3楽章、第1主題Bの2回目以降、
及び
16’00以降の数分、
第4楽章提示部第2主題後半以降、
及び、
展開部後半から再現部第2主題まで、
聴衆の咳が入り、その部分は、3.15のライブとなっている。
各方面で、このブライトクランクは成功例と評価されていて、聴いてみたいと思っていたが、中古市場ではあま流通していない。
以前、HS-2088リマスアー盤を聴いていたが、これは音の洪水的で騒がしさだけが目立つものだった。
当ブライトクランクは確かに成功例。弦の厚みの密度を保ったまま空間が広げられており、
豊潤な弦の響きと、繊細な弱音部、大迫力のffを聴くことができる。
このブル8の演奏は、本当にすばらしいと、個人的には思う。
ピーター・ピリーも「レコードのフルトヴェングラー」の中で、フルトヴェングラーのブル8の演奏を「当代最高のもの」としている。
1949.3.14 ダーレム、ゲマインデハウスでの聴衆なし放送用録音
楽想を熟知し把握した確かな構成力と造形力に基づいた理知的なアプローチが成されている。
1949.3.15 ティタニア・パラストでのライブ
ライブならではの熱気が充満し、造形力+即興的な要素の融合。
但し、聴衆の咳が、苦笑しなければならないほど多い。
レビューは、「フルトヴェングラー鑑賞記」より。