CD鑑賞日誌


by furt-orooro

「フルトヴェングラー・音楽と政治」

b0056240_16502627.jpgこの著作を読んでから、その中で取り上げられている演奏会を聴くと、より実感が湧く。
特に、1947.5.25の戦後復帰演奏会など。

クルト・リース
 「フルトヴェングラー-音楽と政治」
八木浩・芦津丈夫訳 みすず書房 より。

 「フルトヴェングラーが現れると、ホールをうすめた二千の聴衆はまるで狂気にかられたようだった。立ち上がり、拍手し、大声で叫ぶ。オーケストラの楽員たちも起立した。いまや、聴衆席からの叫び声は一種のレシタティーフとなって高まった。その声は明瞭に聞き取れた。「ここに留まれ、ここに留まれ…」
 フルトヴェングラーはエグモント序曲、田園及び第5を演奏した。演奏が終わったとき、喝采は何時はてようともしなかった。もう聴衆はこのホールから出て行かないのか、と思われるほどの場面が長くつづいた。
批評はどうだったか。いやそれはもはや批評ではなくして讃歌そのものであった。ベルリン最大の新聞「テレグレーフ紙」はこう書いている。「フルトヴェングラー、ベルリンに現れる!待ちに待った音楽上の大事件がとうとうティタニア・パラスト館で行われたのである。われわれはワーグナーの言葉を借りて『昔の時代はよみがえった』と叫びたい。昔のフィルハーモニーの力強い交響的感銘を味わったあの時代が帰って来たのだ。あのたぐいないフルトヴェングラーの暗示力と最高度の表現。不思議にも神秘的なと云うより外のない音楽の祝福が、今またふたたび以前どおりにくりかえされる。そしてフルトヴェングラー自身の言葉を借りていえば、この演奏の中にこそベートーヴェンの音楽の力強い作用力が発揮され、彼の思想は照らし出されるのである。」

*1947.5.25の「第5」について、
KING(SEVENSEAS)は、「第1楽章は5.27の演奏」と言われるが、
聴衆の咳などからすると、5.27の演奏ではなく、
CETRA=KING(SEVENSEAS)で、
共に、5.25の演奏で良いと思われる。

詳細は、「フルトヴェングラー鑑賞記」、ベートーヴェン、Sym.5。
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by furt-orooro | 2005-10-20 17:10 | フルトヴェングラー