CD鑑賞日誌


by furt-orooro

クレンペラー&ウィーン・フィル BOXシリーズ レビュー2

1968年6月16日の公演

1. シューベルト 「未完成」
  15:27 12:30
 Ⅰ.冒頭かなりの音量で始まる。第1主題のOb、響きは浅いが、美しい。
   ブリッジ部のホルンは抑制されており、目立たない。
   第2主題、Vcが中央から、レガートが欲しくなる。
   弱音の音量が大きいので、弱から強への変化は小さい。
   VcとVnとの高低の掛け合いの妙味はよい。
   展開部、第1Vnと第2Vnが左右一杯に広がる。
   再現部、Obが疲れてしまったのか、詰まり気味の音。
   フォルテの後、Vcがむせび泣くかのように歌う。
   クレンペラーにしては意外に歌わせている

   (ステジオ録音の「未完成」ではないことだった)。
 Ⅱ.第1主題、Vnの音色が美しい。
   第2主題、Cl、Obの後のVc、その後のVnともに、割とよく歌っている。
   Vnの伸びが良い。 クレンペラーの歌心の意外な一面がよく出ている。
   
(dynamidenさんの指摘されるように、オーケストラの自発性によるのか)
   第1主題2回目では、Vn、Vcともに1回目以上の歌となっている。
   第2主題のObの詰まり気味で浅いフレーズが残念。

2. R.シュトラウス 「ドン・ファン」 18:08
   テーマ、壮麗雄大。密度の濃いアンサンブルに圧倒される。
   Vnソロは妖艶。弦楽合奏もクレンペラーにしては、優美な歌となっている。
   行進曲、ゆったりと恰幅よい。
   Obソロは浅い響きで、他の木管群が甘美で懐深いのに。
   ファンファーレ、徒に効果を狙うことなく、バランスが良い(金管だけが目立つことがない)。
   第2Vnの活躍。Trpは2音目にアクセントをつけている。
   テーマから結部。壮麗。密度濃く、有機的な響きの連続で感動的。

3. ワーグナー 「ジークフリート牧歌」 19:15
   弦楽器群はソロ奏者のみなのだろうか。室内楽的な響きに始まるが、木管、ホルンが入ってくると、独特のバランスの良さに魅了される。
   中間部は、Vn協奏曲風(というか、変則的なVnソナタ的)でもある。

4.  「トリスタンとイゾルデ」前奏曲 12:10
   Vnのすばらしい響きで始まるのだが、Obが出てくると、その鼻詰まり的なフレーズですべ   てが台無しになる。Vcは割りと歌っているが、もっとレガートがほしい。
   Vnは深遠でまとまりのあるフレーズの数々だが、Obがそれと張り合うように強く吹かれて   耳障りになってしまう。

5. 「マイスタージンガー」前奏曲 11:30
   超スローテンポ。「行進のテーマ」になるとさらに遅くなる。これでは行進できません。
   「第5」同様、最後にはテンポが速くなるのだから、完璧なるイン・テンポでは決してない。
   それが、他でも魅せられればよいのだが。
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by furt-orooro | 2005-08-05 12:27 | クレンペラー