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CD鑑賞日誌


by furt-orooro

「バイロイトの第9」 OTAKEN TKC-301 コメント

フルトヴェングラー&バイロイト祝祭管
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OTAKEN TKC-301のCD

寄せられたコメント。

◇ フルトヴェングラーの各種盤の音質比較をされておられる方から。
 「感想は、既出のCD、LP復刻のCDRの内では
最も優れた音質のCDが登場したと断言いたします。」
 「TKC-301で一つ気になった点があります。
第四楽章では高域が少し荒れ気味に聴こえるところがあり、
再生針圧の関係かとも思いました。
 またCD化のせいでしょうか、こってりした艶のある音なのですが
油彩の絵画を見る趣があり、LP現物(英HMVのALP-1286ではありませんが)を聴く時の
透明感は少し減退気味であると感じます。
(が、それは細かいことで)
他盤が裸足で逃げ出す名盤ができたと
愛好者に自信を持って勧められるCDに間違いありません。」

◇ ご常連 dynamidenさん
 「ついにOTAKENのバイロイト第9CDを聴きました。名演の決定盤といえるCDの登場に言葉もありません。低音の深い迫力と高音の比類ない輝きは、従来のCDから1枚も2枚もヴェールをはがした感じですが、加工臭は微塵もありません。特に今までどのCDでも物足りなさを感じていた1楽章再現部のティンパニや、フィナーレのコーラスの発音が非常に明瞭になったのはとても嬉しいです。時折弱音部の低音がこもった感じに聴こえますが、それでも今までの国内CDとは比較になりません。
 IslandPros、OTAKENのCD-RとこのCDを持っていれば、まず間違いないという感じですね。EMIの輸入盤も持っていますが、これは今後参考程度にしか聴くことはないでしょう。」

◇ ご常連 ムラヴィンスキー狂さん
「まさに「感動」「熱狂」の二言でした。この世紀の名演の感動を新たにしました。もちろんこれまでに紹介してくださった他復刻にもすばらしい魅力がありましたが、今回は次元が違いました。
 一楽章が始まった瞬間、何という分厚くかつ繊細な響き。それでいていかなる強音にもブレや濁りなどがない、正に理想的でした。今回の白眉は木管郡であると思います。何と言う澄み切って浮き出た音!他復刻を大きく凌駕しております。
 今回の復刻で大きく恩得を貰ったのはやはり1、2楽章ではなかったではないでしょうか?批評家のライナーでもっぱら批判されるのは1、2、コーラスでしたが、今回の復刻によって巨大かつ深遠に復活した気がします。3、4はいままでに優れた復刻がありました。故に余計に感じてしまうのでしょう。
 3、4楽章ももちろんトップクラスの高いクオリティを持っていると断言できます。3楽章はISLAND PROSの優れた美しい復刻が存在しますが、「低域不足」との感じもありました(もちろんそれが最大の美点に直結しているのだとは思いますが)。本CDは透明感ではISLAND PROSに譲りますが、低域の豊かさでこの演奏から別の美しさを引き出したような気がします。もちろん両CDとも神業を堪能できると思いますしこの楽章を語る上で両方とも必要だとおもいました。終楽章ですがこれはバリトンに一番驚きました。かつてない豊かな声の響きに驚愕しました。
 上記「こってりした艶のある音なのですが油彩の絵画を見る趣があり、LP現物(英HMVのALP-1286ではありませんが)を聴く時の透明感は少し減退気味であると感じます。」
という感想は正に至言だと思います。
しかしLP現物は私は聴いたことがないので、このCDがほどよい透明性と艶のある分厚い音の黄金のバランスだと思いました。高域においての音の荒れは再生装置の高音域をいじればさほど気になりませんでした。
 全楽章バランスがよいというより、全楽章が最高クラスの復刻であり(3楽章とコーラスはISLAND PROSも捨てがたいです)、この演奏の決定盤であるということを自信を持って推薦できます。
 このような板起しが発売されたのは私の中でバイロイトの第九が第九の帝王に返り咲いた「歴史的事件」になりました。
by furt-orooro | 2005-05-17 09:09 | フルトヴェングラー